阿蘇の成り立ち

阿蘇山とは

 阿蘇山は、九州の中央部、熊本県にあります。「阿蘇山」という名前を聞くと、まるでそういう名前のひとつの山があるように思うかも知れませんが、実際には、阿蘇カルデラ内にあって活動を続ける中岳を中心とした火山群全体を指しています。カルデラとは右図にあるような大きな凹地のことです。

阿蘇カルデラは、南北25キロメートル、東西18キロメートルの大きな楕円形をしており、世界でも有数のカルデラといわれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルデラのできるまで

 カルデラは、地下にあったマグマが一度に大量に出たときに、マグマがあった部分にできた空洞を埋めるために、その上部が陥没した結果できます。マグマとは火山の地下などにある熱く溶けた岩のことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

噴火の際、マグマは様々な形態をとって地上に出ますが、カルデラができる時には大規模な火砕流を伴う噴火をします。火砕流とは、溶岩の破片や軽石や火山灰がガスとともに流れるものです。火砕流は時速100キロメートル近い速度で山ろくを流れ下ります。規模はだいぶ小さいですが、雲仙普賢岳の噴火の時の火砕流を想像してみてください。

 

阿蘇カルデラ

 さて、阿蘇カルデラは大規模な火砕流の噴出を伴う4回の大噴火によってできました。それらは古いほうから阿蘇1火砕流、阿蘇2火砕流、阿蘇3火砕流、阿蘇4火砕流と呼ばれています。阿蘇1火砕流は30万年前、阿蘇4火砕流は9万年前に噴出したものです。それぞれの噴火のたびにカルデラができ、そのカルデラが同じ場所でできたために今日のように巨大なカルデラができたと考えられています。

 中でも最大規模だった阿蘇4火砕流は、雲仙普賢岳の100万倍の規模でした。火砕流は九州の北半分を焼き尽くし、山口県にまで達したものもありました。また上空まで上がった火山灰は、偏西風にのって日本列島全域に広がり、その証拠に北海道東部で10センチメートルの厚さの火山灰層が確認されています。

 

中央火口丘

 阿蘇4火砕流を噴出した大噴火のあと、阿蘇カルデラには段々水がたまっていきました。そしてカルデラ内に水をたたえる大きなカルデラ湖ができました。カルデラの切れ目ができると水は排水され、そこがふさがれると再び湖ができました。現在は排水されてカルデラの底は平地になっています。

 その後カルデラ内で新たな火山活動が始まりました。この結果、中岳や高岳など10個以上の小型の火山ができ、これらは中央火口丘群と呼ばれています。この中でも中岳は活発に活動中で、有史以来多くの噴火記録があり、現在も火口から噴気を上げています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

活発に噴気を上げる中岳火口

 

 

阿蘇カルデラができる前は

 では、阿蘇カルデラができる前はどのような地形だったのでしょう。右の写真は中央火口丘からの風景です。中央右に米塚と呼ばれる小型の火山があり、その奥に同じ高さで屏風のように連なった山が見えます。これはカルデラの内壁にあたるところで外輪山と呼ばれています。

カルデラを取り囲む外輪山の裾野をカルデラの中心まで延長すると、富士山をもしのぐ山が過去に存在したように思えますがそうではありません。過去このあたりには、小規模な火山が数多く存在したと考えられています。それらは低い部分は火砕流によって埋められ、高い部分は火砕流の堆積物から頭を出しています。外輪山が同じ高さなのは、火砕流によって埋められているからなのです。

 

 

 

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